げんきっこコラム『大流行中、手足口病』
こんにちは、げんきっこ看護師児玉です。
7月末から10月の現在まで、病児・病後児保育では手足口病による利用がたくさんありました。
現在の感染状況やげんきっこの利用状況、手足口病の情報などお伝えしていきたいと思います。
●山形県の感染状況
まずは、山形県の感染状況を見てみましょう。
感染症情報センターによる山形県の感染状況です。
感染が増え始めた29週が7月15~21日、最新の41週が10月7~13日になります。
グラフを見ていただけると、7月後半から今現在もすごく流行していることがわかるかと思います。
赤の点線になっている「5」が警報開始の水準なので、基準値よりもずっと高いレベルになっています。
●げんきっこでの利用状況
今年の7月から手足口病では12人、20日間利用がありました。
発熱から2~3日後の利用が多かったです。
熱が下がってからも、口の中が痛くてなかなか食べられず、4~6日目にご利用いただいた方もいました。
熱があまり上がらないことが多い手足口病ですが、今回は38~39℃台まで上がった子も多かったようです。
熱が下がった後は比較的機嫌も良く、自分のペースで遊べていた子が多かったですが、
口の中が痛くて、よだれを飲み込めなかったり、口を動かせなくて話しづらかったり、給食はあまり食べられないという子も多かったです。
こまめに水分補給を促して脱水予防を心がけ、おうちの方にはゼリーやプリンなど食べやすいものを持参していただくなど対応して頂きました。
夜眠れなかったり、体調がすぐれなくて眠くなる様子があれば、その子の体調に合わせて午前寝をしたり、午睡を長めに取ったりしました。
保育園などの集団生活では時間で1日の流れが決まっていますが、げんきっこでは1人1人のペースに合わせて過ごせるので、無理せず体調を回復させることができるかなと思っています。
●登園基準について
厚労省による保育園の登園基準は「普段の食事がとれるようになってから」となっています。
「発疹がよくなってからじゃないと保育園に行けないのでは?」と思っていた方もいると思いますが、発疹の有無は登園基準には関係ないんです。
ただ、熱が下がって回復する風邪などと違って、発疹が出始めてから、だんだん痛みが強くなって、食事が摂りづらくなることが多く、回復までには1週間近くかかるのかなという印象です。
保育園によっては、今週は休んでください、〇〇日までは休んでください、などと言われることもあるようです。
登園基準は保育園の判断もあるので、通っている保育園に相談してみてくださいね。
●手足口病は何回もかかる!?
今年は大流行で、2回3回とかかったお子さんもいるようです。大人の感染もありました。
手足口病の原因となるウイルスは1つではなく、コクサッキーウイルスのCA16、CA6、エンテロウィルスのEV71など複数の型があります。
そのため、1回かかって抗体が出来ても、他のウイルスの手足口病に再感染する可能性があります。
飛沫感染もありますが、便からは2~4週間の長期間にわたってウイルスが排泄し続けるので、症状がなくなった後も感染源になりえるので注意が必要です。
また、アルコールによる消毒は効きにくいので、流水と石鹸による手洗いが大切です。
タオルの共有も避けましょう。
●手足口病の治療について治療は特効薬はありません。
口の中が痛い場合は、刺激にならないように柔らかくて薄味のものがいいでしょう。
水分不足が心配なので、経口補水液などを少量ずつ頻回に与えるのがおすすめです。
ゼリーやジュースなどでも「しみる」と泣いたり、ごはんを1粒ずつじゃないと食べられない様子の子どもたちをみて、手足口病はなかなか辛い病気だなと感じました…。
基本的には症状に対する対症療法で治る病気ですが、「元気がない、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱」などの症状がある場合には髄膜炎、脳炎などになる可能性があるので、受診しましょう。
●感染後に爪が剥がれることがあります。
あまり知られていないと思いますが、手足口病のコクサッキーウイルスA6型では爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)と言って、一時的に手足の爪が剥がれてくる、という症状が出る場合があります。
実際、私の周りでも感染した大人や子どもに爪甲脱落症の症状が見られました。
爪がのびてくると自然と治りますが、手足口病になった後は注意してみてあげてくださいね。
以上、手足口病についてのお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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