げんきっこコラム「子どものスキンケア」

こんにちは、げんきっこ看護師児玉です。

今回は「子どものスキンケア」についてのお話です。

 

よく「赤ちゃん肌」と誉め言葉で聞きますが、赤ちゃんや子どもこそスキンケア(保湿)が必要だと知っていましたか?

中には、何もしなくてもお肌ぷるぷるの子もいますが、子どもこそしっかり保湿しないと乾燥しやすくなってしまいます。

この季節は、子ども達も肌が乾燥しているなぁと感じることも多いです。

 

子どもの肌の特徴や、スキンケアの効果、おうちでも実践できる保湿のポイントについてお伝えしようと思います。

 

●子どもの肌の特徴

子どもの肌は、大人よりも薄く、表皮は大人の約半分と言われます。

そのため、大人よりも乾燥しやすく、傷つきやすくなっています。

子どもの頃に乾燥から始まる皮膚のバリア機能低下(肌荒れ)が起こると、そこから外部の刺激が入り込み、食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギーマーチを引き起こす可能性があります。

成長とともに変化するアレルギー(出典:アレルギーマーチ(馬場 実)をもとに改変)

引用:「アレルギーマーチ」を進行させないために|特集|43号|WEB版すこやかライフ|ぜん息などの情報館|大気環境・ぜん息などの情報館|独立行政法人環境再生保全機構 (erca.go.jp)

アトピーは家族歴(親などがアトピー)などの体質的なものもありますが、皮膚バリア機能が弱いこと、生活環境(アレルギーの原因となる抗原にさらされたかどうか、ライフスタイル、精神的ストレス)などが関連していて、原因は1つではありません。

 

逆に言えば、皮膚のバリア機能を保つことで、全てではありませんが、アレルギーを予防する効果があるということですね。

家族にアトピー性皮膚炎の人がいる子に保湿剤を塗ると、塗らない場合より発症リスクが3割減ったという研究も報告されています。

 

長引く皮膚トラブルは、その後のアレルギー疾患のリスクにつながると言われているので、湿疹やかゆみなどが気になる方はアレルギーが得意な小児科や赤ちゃんを診てくれる皮膚科に相談してみてください。

 

●肌のバリア機能とスキンケアの効果

ここで少し、皮膚の役割について考えてみましょう。

皮膚は身体の一番外側にあり、外界との境界線の役割をしています。

そのため、防御壁としての外側からの刺激から守る「バリア機能」を持っています。

乾燥することで、バリア機能が破綻してしまいます。

なぜ保湿が大事なの? | 明治薬科大学セルフメディケーション学研究室

引用:なぜ保湿が大事なの? | 明治薬科大学セルフメディケーション学研究室 (my-pharm.ac.jp)

また、「皮膚は心の鏡」と言われ、皮膚と脳の細胞も繋がっているため、親子のスキンケアは愛情豊かなスキンシップにも役立ちます。

そして、「肌は心と内臓を映し出す鏡、健康のバロメーター」とも言われ、皮膚と腸は一つながりになっていると言われます。

脳とも、腸ともつながる皮膚。

その皮膚を大切にするスキンケアは、体の表面のことだけでなく豊かな感性や自分を大切にする心にもつながるんですね。

 

 

スキンケアには、

①水分保持

②清潔保持

③紫外線防御

という大きな3つの効果があります。

 

しっかり皮膚のバリア機能が働いていれば、紫外線や有害物質・微生物などから皮膚を守り、体内に必要な水分を体の中に保つことが出来ます。

バリア機能が働かないと外部からの刺激を防ぐことが出来なくなり、水分が逃げて乾燥した外部からの刺激に弱い肌になってしまいます。

 

スキンケアを習慣化することで、皮膚のバリア機能を高める、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの予防、そして自分自身の皮膚を労わることで自分を大切にするという価値観を養うことが出来ると言われています。

ぜひ習慣化してきたいですね。

 

●保湿のポイント

保湿のポイントですが、スキンケアはトラブルがあるときではなく、「毎日、全身に」行うことが大切です。

頭から足の先まで、お風呂上りなどに行うのがおすすめです。

また、食事のあと、口の周りを拭いたときも乾燥しやすいので、その都度保湿を行えるといいですね。

 

塗るときは、なるべくシワに塗り込むように、しっかり手を沿わせて塗り込むことが大事だそうです。

目安は、ティッシュが皮膚にくっつくくらいです。

少ないと十分な効果が得られないことがあるので、たっぷり使いましょう。

 

極端な話、保湿されていれば方法はなんでもよく、「使うものは、これがいい!」ということもないです。

ただ、使いやすさを重視しながら、夏はローションやミルクなどさらさらしたもの、それ以外の季節はミルクやクリームのものなど、季節や肌の状態に合わせて調整できるといいかなと思います。

子どもは香料に敏感なので、なるべく香料のないものがおすすめです。

また、オイルタイプの物を使う場合には、アレルギーの観点からいずれ口にする可能性のあるナッツ系のオイルなどよりも、ホホバオイルやシアバターなどの植物性のものが良いと言われています。

ぜひ選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

 

また、2歳くらいから少しずつ自分のことが出来るようになってきます。

自分のからだを洗う、歯みがきをするなどのセルフケアと同じように、スキンケア(保湿)も自分で出来るようになってくれば、続けやすくなってきます。

「親がやる仕事」と決めつけずに、「お風呂上りはこれ塗ろうね」「保湿するとすべすべになるよ」「かいかい(かゆいの)なくなるよ」、など声をかけながら一緒にやってみてくださいね。

歯みがきの仕上げ磨きのように、まずは自分で、手の届かないところは親が仕上げ…と出来れば理想ですね!

 

 

以上、スキンケアの話でした!

これからの乾燥する季節、みんなで保湿してぷるぷるお肌を目指しましょう。